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子供 テイルズ 4

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夕焼けナスビ

むかしむかし、深い山の中に、鬼山村(おにやまむら)という村がありました。

ここ村人たちは人と付き合うのをひどく嫌って、村から外へ出る事がありません。

それでも生活に必要な塩を買う時だけは、いくら人嫌いな村人たちも仕方なく浜野村(はまのむら)まで塩を買いに行くのでした。

けれど自分たちの姿が見られるのが嫌なので、買い物をすませるとまるで消える様に帰ってしまうのです。

だからよその村人たちは、鬼山村の者をほとんど見た事がありませんでした。

ある日の事。

浜野村の男が鬼山村の人をからかってやろうと、一人で村を訪ねていきました。

ところが村には人影どころか、ネコの子一匹見えません。「なんだ、これではからかいようがないではないか」

そこで男は、誰でもいいから外に呼び出してやろうと大声で叫びました。

「おらの畑のナスビは、すごくでっかくて、たくさんあるんだぞー!」

「・・・・・・」

家の中に人がいる気配はするのですが、誰も外へは出てきません。

男は前より、もっと大きな声で叫びました。

「おーい! お前んとこの塩をちっとくれたら、おれの広い畑のでっかいナスビを、みんなくれてやるぞー!」

それでも家からは、誰も出てきません。

「ちえっ。おもしろくねえ」

男はぶつぶつ言いながら、自分の村の方へ帰って行きました。

すると、どうでしょう。

たくさんのナスビが夕焼けの空をうずめるようにして、自分の頭の上を飛んで行くではありませんか。

ナスビは浜野村の方から飛んできて、鬼山村の方へと向かっています。

「もしかして!」

男があわてて自分の畑に行ってみると、なんとナスビは一つ残らずなくなって、一面のぼうず畑になっていたのです。

「おっ、おれのナスビが・・・」

男がガッカリして家に帰ってみると、家の門の前に塩が一つまみ、チョコンと置いててあったそうです。

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