モノポリーとエゴ: 権力の哲学―専門職から国家まで
MONOPOLY AND EGO モノポリーとエゴ
権力の哲学――専門職から国家まで
山端二郎 著(PCC PRESS)
皆のものを我がものにする権利は、誰にあるのか。
国家、政党、職業団体、大学、国際機関――多くの人々によって築かれ、多くの人々のために存在するものが、ときに少数者によって囲い込まれる。本書はこの古くからの誘惑を、構造としての「独占(モノポリー)」と、個人としての「エゴ」という二つの視点から考察する。
プラトン、マキアヴェッリ、ラ・ボエシ、ミル、ミヘルス、フロム、アーレントという七人の思想家を手がかりに、本書は二十四世紀にわたる一つの問いを追う。その問いは、専門職の歴史から現代国家へ、パンデミック後の社会の分断へ、そして人工知能の時代へと続く。
- 権威はどのように獲得され、どのように正統性を得るのか
- 人はなぜ権威に服従し、ときにそれを自ら求めるのか
- 民主主義は、どのような過程を経て弱まりうるのか
- 現代の事例は、私たちに何を問いかけているのか
- 人工知能は、権力のあり方をどう変えうるのか
- 議会と法と市民は、権力の集中にどう向き合うことができるのか
すべての章で、主張に対する有力な反論を示し、それに応える。巻末には「正統な権威の十の基準」を掲げた。専門職団体、政党、大学、国際機関、政府など、あらゆる権威の主張に、立場を問わず誰もが当てはめることができる。
著者は二十五年にわたり徒手医療の教育に携わってきた。本書は、自らの分野での経験を出発点に、国家と社会の未来へと考察を広げていく。
誰も権力を所有してはいない。権力は常に、信託として預かられているにすぎない。