病を観察せよ: シデナムの自然誌的方法とカイロプラクティック臨床
「いかなる植物学者も、毛虫のかじった跡をセージの葉の特徴とはみなさない。」—トマス・シデナム
1676年、ロンドンの医師トマス・シデナムは、熱病や流行病、急性疾患の観察記録『医学観察』を世に出しました。彼は内戦を戦った経歴をもつ医師で、医師たちに次のことを求めました。理論をいったん脇に置くこと。植物学者が植物を記載するように、一つひとつの病を忠実に描くこと。そして季節を通して、その自然誌を追うこと。シデナムは「イギリスのヒポクラテス」と呼ばれ、その方法は近代的な臨床記載の礎となりました。
本書には、『医学観察』と、痛風・ヒステリー・舞踏病を扱った後期の著作から、主要な一節を収録しました。R・G・レイサムの古典的英訳をもとに日本語へ訳し、カイロプラクターのための解説を付しています。解説では、歴史的な記述の一つひとつを、現代の診断、レッドフラッグ、紹介と結びつけます。さらにシデナムの自然誌的方法を、日々のカイロプラクティック臨床に応用します。扱うのは、脊椎痛の経過、分類、検査前確率、経過観察、臨床記録です。
【本書の内容】
・シデナムの原典17篇と、28章にわたる解説
・脊椎痛の自然経過、分類、予後
・レッドフラッグ、紹介の経路、重篤な病態の見分け方
・症例提示、140問の復習問題、自己評価試験
・記録用紙、用語集、年表、早見表
カイロプラクティックを学ぶ学生、臨床の現場に立つ施術者、そして臨床観察の原点に関心をもつすべての方へ。安全な臨床推論の第一歩である「注意深く観察する力」を養う一冊です。
カイロプラクティック臨床推論シリーズ(PCC PRESS)